読書記録「我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち」

我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち」という本を読みました。

人類の進化の過程を「初期の猿人」「猿人」「原人」「旧人」「新人」の5つに分けた場合、今の地球上には「新人」に分類される我々ホモ・サピエンスしか存在しません。 ただ、過去のある時期には同時期に複数の原人や猿人が入り乱れていた時期があったはずです。 それを化石から読み解き学説を更新していく過程を、最新のアジアの原人たちの例を元に見せていく本です。

だいたい感想としては以下の通りで、人類史全体をザックリと説明した後に、特定のトピックに対して凄く深く書いており、そんなに事前知識無しでも楽しめて凄く良い本でした。

  • 人類の進化についてザックリと説明されている
    • サルから進化したんだよなーぐらいの認識からでも読める
  • 最新の研究成果が生まれる仮定がわかる
    • 化石からどうやって原人の姿を明らかにしていくか
    • いわゆる学説がどうやって作られ、共通認識になっていくかみたいなのは新鮮
      • 理工学だとはだいぶ違う進め方
  • かなり最近(2017年)までの最新の情報に基づいて書かれている
    • 第三、第四の原人の話まで
    • アフリカ単一起源説みたいな、何となく知ってる話がきちんと整理されてわかる
  • 書き手の興奮が面白い
    • 新しい原人の発見や、学説の更新にリアルタイムに参加してた書き手の興奮がめっちゃ伝わる
    • 読んでて、新しい発見に対して超テンション上がっただろうなーみたいなのが何となくわかる感じ、良い( ゚∀゚)o彡゚
  • 我々はなぜ我々だけなのかはわからない⊂(・8・)⊃
    • ホモ・サピエンスは急速に広ったので別種が生まれる必要が無かったのではという仮説は出る
    • 過去の人類が多様なのはその地に適応しないと生きていけなかったから、複数に別れていった
    • ホモ・サピエンスは環境に適応せずとも生きていく術を身につけ、急速に広がったから一種類しかいない
    • この本では複数の原人を研究する過程を見せられるので、納得感がある感じ

メモはこっち https://gist.github.com/ota42y/c8c7f4b5784f52afaf888bdd0c0f05af